フィナーレは鳴り止まない

世界と終わらない恋をしている

血よりも強固な絆という誓約──舞台憂国のモリアーティ


令和の大英帝国がここにある。

原作・ミュを履修済です。モリアーティ陣営が好きなのでそちらの感想が多め。






舞台 憂国のモリアーティ、観劇してきました。 

まず舞台セット、西田さん演出だし絶対カラクリすごい!絶対そう!!と何故か根拠のない自信がありましたが、見事大当たり!ほんとにあれはアトラクション。見るアトラクション。 

あの動き回る階段を自由自在にキャラが動いていくOPカッコよすぎる…一瞬で鳥肌立った。六本木の大英帝国、とてもアクション増し増し!!!って感じ。 
豪華絢爛さ、その裏に隠れた妬み嫉み僻み、連なる重苦しい階級制度の闇が音で表現されていて今すぐサントラCDほしい。 


三兄弟の絆を強く感じる物語と話していましたが本当にその通りすぎて。 

場面ごとにタイムスリップして過去の三兄弟の話に飛ぶのは面白かった。プロジェクションマッピングとか映像とライトの使い方に惹き込まれたなあ。 
「あの頃のこの出来事があったから、今ここにこうしている」 
というのをウィリアムのアルバートのルイスの、それぞれの回想で教えてくれるのはなるほど!と思いました。 

特に印象深かったのは、兄様の生きづらさ、居心地の悪さがひしひしと伝わったところかな。 
貴族生まれ貴族育ちで、おおよそ考えないであろう階級制度への疑問を持ったばかりに、そこから逃げ出すことも変えようとすることもできず……。 
理想の為に人を殺す、目的達成のためなら何でもする。実行するだけの気概と頭脳を兼ね備えたウィリアムの姿に、兄様本当に救われただろうなと。 
あそこの影絵の表現が感情に訴えかけてくるからたまらなく好き。 


それとウィリアム、原作をとても大事にしてくれている様子が伝わって嬉しかった。普段のウィリアムはにこにこ優しくて柔らかくて、だからこそ裁きのシーンの冷徹無比な微笑みに背筋が凍るのですが、柔和な笑みと軽やかで優しい声色と反して一瞬で突き刺すような鋭い声になるのが、私のイメージにぴったりでした。 

イメージでいくとフレッドもそう、声も雰囲気もそうだし、バスカヴィルの所とか動きがすごく俊敏で軽やかで思わず心の中で拍手。 

ルイスの「…いいですね皆さんは」も〝我慢出来ずおもわず零れてしまった言葉〟のようで心臓痛くなったし、そのあとのウィリアムの言葉に兄さんは馬鹿だなあ、なんて言いそうな感じで「ウィリアム兄さんがいなければ意味がないんです」って言うの、二人の一生切れない絆が感じ取れて最高でした。 
あとバスカヴィルのメガネ外すところ永遠に見たいです。 

アルバート兄様の軍服!!!!!MI6!!!!! 
ここ選んだ方誰ですか?あまりにかっこよすぎる。かっこよすぎる。わざとらしすぎる演技も可愛い。 
ひと仕事終えて3人で帰るところ「僕も楽しみにしてたんだ…🎶」(※イメージ)って可愛すぎて目玉飛び出た。ウィリアムとルイスとの夕飯楽しみにするモリアーティ伯爵、あまりに可愛すぎでは?可愛いが服着て歩いてるのか?可愛すぎて死んじゃった。 


モランは勘弁して欲しい モランが服着て歩いてたから勘弁して欲しい そりゃ服くらい着るが……言い出したらキリがないから言いたくない 
セバスチャン・モランはいたもん!!!!嘘じゃないもん!!!!!! 
「お前が見たのは、死神だ」 
をサラッと言って帰っていったので心の中でスタオベしました。そうなんだよね既にウィリアムに忠誠誓った身なので別にそこに重き置く必要そんなにないしね、含みを持たせずサラッと言ったのが中々私は好きでしたね……。 


ちょくちょくある日替わりネタ可愛かった。 

モラン「アルバートってなんだよ!パスタかよ!……ってそれアルデンテ!」 
ウィリアム「モラン、51点(にこにこ)」 

(は〜〜〜かわい〜〜〜^^) 



誘拐のエピソード、少し原作と演出が変わっていてめちゃめちゃビックリした……モランとウィリアムの関係性が大好きで仕方ないので、あのシーン驚きと興奮で泣いてしまったが??? 
絶対泣く場面じゃない。 


本来であれば 

ウィリアムが敵にトドメを刺す→モランが駆けつける 
モラン「…大丈夫だな」ウィリアム「ええ」 
死んでる相手の頭を改めてモランが一発バンッとぶち抜く 

っていうシーン。 

トドメを刺す前に灰かき棒を下ろし銃の形を作った右手を相手へ向けたウィリアム。 
階段の奥にモランの姿が見えて エッ と思う間もなく、ウィリアムが撃つ真似をするのと同時にモランが相手の頭をその拳銃で撃ち抜いてトドメを刺す演出になってましたね。 


いやもう宇宙猫ですよ スペキャスペキャ 


えっ何が起こりました? 
原作でさえ悶えたシーン、ウィリアムが殺したあとでもう一度モランが頭撃ち抜くシーン! 
ここすごく好きで!!!!!大好きで!!!!!モランがかっこいいから!!!!! 

トドメを刺す時に拳銃撃つ真似……もうモランが撃つって分かっていたんですねウィリアムには。 
ウィリアムの右腕が右腕たる所以ですよ……。 
いや右手を伸ばし同時に撃つ真似……自分の右腕に絶対の信頼を寄せすぎでは?演出神だなあ…。 

モランの「大丈夫だな」もそりゃそうでしょうよ貴方がトドメを刺しましたからね!!それはそう!!となりましたし、ええ〜〜〜〜〜もう〜〜〜〜〜弄ばれる私の感情。 


それとルイスへ言った「より深い闇へ共に行こう」は原作ではモランへかけた言葉だからぜひモランのターンの時も聞かせて欲しい。(続編がある前提) 

バスカヴィルとアイリーン醜聞一緒にやるとは思わなかったな、つめつめで最後よくわからなかったのがちょっと勿体ない……。 

シャーロックはすごい可愛かった〜生意気天才学者って感じ!(諮問探偵です) 
ジョンくんが頼もしく思えたしあれくらい楽観的の方がシャロの支えになるだろうなと思いました。 
マイクロフトとのアクション凄かったし、ジョンとシャロの間で物投げて渡すの息ピッタリで可愛かった! 

ジョン「後悔しています!!」×3 

(かわい〜〜〜^^) 


シャロとジョンがハドソンさん囲うのあまりに可愛すぎたし、ハドソンさんの捲し立てる感じめっちゃ可愛かった(笑)ひえ〜〜〜かわいい〜〜〜〜って声出さなかったの褒められたいですね… 

アイリーンはもうかっこいいの極みだしスタイルいいし目の保養でした。早くアクションシーンください(続編ある前提) 






アニメ見てるような感覚になっていたのですが、展開早すぎて原作未読の方は多分2幕から置いてけぼりだったのでは?というのが率直な感想です。 

モランの踊れ踊れやってくれたの嬉しかったけど、あれ原作知らない人からしたら突然裸で腰にタオル巻いたモランが回る階段の上で銃撃ってるのなんで!?!?となりません!? 
もう少し娼婦との匂わせほしい…な…(匂わせ) 

いきなり仮面舞踏会で犯罪卿の名前が出たと思えば直ぐにアルバートとアイリーン二人きりになるし、け、経緯〜〜〜!!!なぜ!!!!って困惑してしまったからもう本当に勿体ない。 

1幕くらいの早さで進むなら分かると思うけど……同時進行なエピソードもあるし、初見殺しだなあと思いました。 
役者さん目当てで行った方はストーリー分かったのだろうか……? 


原作好きな人は十分楽しめると思います!! 
舞台セットがガラガラ動いたりテーブルくるくる回ったり椅子勝手に倒れたり浮かんだり本当にアトラクション(笑) 

三兄弟尊いとしか思えなくなる舞台だった、モリアーティにスポット当ててるの私得すぎるよ〜〜〜でもちゃんとホームズの出番もあって楽しかったなあ! 


でもやっぱり、ホームズが犯罪卿に出会わないまま話が進むのがどうしても……納得いかず。これはこれ、って感じで、今後も楽しめたらいいなって思います。